「やらされている百発より、やる気の一発」

これは、私の地元愛知県の高校野球の強豪校の1つ、愛知工業大学明電高等学校、所謂「愛工大名電」の野球部監督を長年務められた中村 豪(たけし)監督のお言葉です。

中村さんが監督時代、深夜になるとグラウンドに幽霊が出ると噂が流れたことがありました。恐る恐る足を運んでみると、そこには暗がりの中で黙々とバットを振り込んでいる選手がいました。そうです、その後日本のプロ野球からメジャーリーグに渡り、数々の記録を打ち立てたイチロー選手だったのです。

                  

入学当時は170㎝で55㎏のヒョロヒョロの体系でしたが、抜群のミートの上手さやスイングの鋭さがあり、走らせても速く、投げては130㎞の速球を放るという、非凡な野球センスを持っていたイチローさんですが、普段の練習ではみんなと同じメニューをこなし、別段他の選手に比べて熱心に打ち込んでいる様子もなかったので「天性のセンスなのかなぁ」と思っていたそうです。

人からやらされる事を好まず、自らが求めて行動する(深夜の素振り)という意識が抜群に強かった選手で、まさに冒頭の「やらされている百発より、やる気の一発」を誰にいわれずとも実践し、自らの道を開拓していったのがイチロー選手だった訳です。

普段、皆様も会社業務は勿論の事、プライベートでも色々な目標をもって取り組まれている事と思います。そしてその目標は、誰かに指示されたものより、自分で率先して打ち立てた目標の方が、やる気も出るし、達成感もあると感じるでしょう。

目標を設定するにあたっては、チャレンジ目標であることが重要です。「ちょっと背伸びをしても届かない、ジャンプしてつかみ取る」くらいのレベルを設定するくらいが、自身の成長につながるチャレンジ目標のイメージではないでしょうか。

                     

ちなみにイチロー選手が中学時代、中村さんと初めて会った時に言った言葉は「私の目標は甲子園出場ではありません。私をプロ野球選手にしてください」だったそうです。

チャレンジどころかレベル高過ぎですけどね…。だからこそ成長の幅も大きく結果にもつながったのかも知れません。

人から言われたやらされ感で行う仕事と、自ら前向きに業務に取り組み、実績を作っていく仕事では、おのずと結果も変わってきます。

是非、やりがいのある業務となるように行動を変えていっていきたいものです。

 

By SAT

参考資料:致知出版社 藤尾秀昭氏監修「1日1話、読めば心が熱くなる 365人の仕事の教科書」

                                        6月8日分 中村 豪氏(「致知」2008年12月号 随想)より

「やらされている百発より、やる気の一発」